★★2001年度(第6回)直接言うのはちょっと照れくさい孝行のメッセージ入選作品集★★

【最優秀賞】 お母さん、
あなたの笑顔と温かい言葉は
なんていいんだろう。
疲れていた心と体に
頑張る力がわいてきます。
どんな辛いことがあっても
あなたに会うと立ち直れます。
お母さん、
あなたは
なんていいんだろう。              森  晶子(宮城県 五一歳)
【優秀賞】
お父さん、私によく言うよね。
「お前はイイコだ」って。
あたり前じゃん。
私、お父さん似だもん。                       小林 佑季子(長野県 一八歳)
【佳作】 耳が遠くなって、目も悪くなって、それでも大工の仕事を止めない父へ、
仕事ぶりは見られないけど、
「若い奴の足手まといになったら止める。」
が口ぐせだったから、大丈夫なんでしょう。
不景気で、お互い楽じゃないけど、
頑張ろうな!                        佐藤 光三(埼玉県 三七歳)
この世に酒がなければいいのに
いつも言ってたネ、母ちゃん。
地獄だったネ。
もう泣くこともないネ、
もっともっと長生きしてね、
母ちゃん。                           酒井  茂子(千葉県 五一歳)
お見舞いに行くたびに
「娘なの」って嬉しそうに。
だから病院の人たちみんな
私を本当の娘だと思ってたって。
そして、私の心の中で、
「お義母さん」が「お母さん」に
変わっていきました。                        三村 伸子(東京都 三七歳)
父さん、五一才の一月十日。
お酒、たばこ、甘いもの全部やめた。病気になったから…。
リサより先に死ねないと言う。今はリサが一人で生きていけないから…。
リサが泣き虫なのは、父さんがやさしいから…。
                        橋ア 理沙(兵庫県 二一歳)
ほんまやで。元気かなあって
いつも気になってる。
でも、あんまり電話もせえへん。
顔も見に行かへん。
何でやろ!?
たまに行っても、あふれる程の
親切や感謝の気持ちを
上手に置いてこれへん。
こんな不器用な私を許してな。                  樽家 満智子(兵庫県 三九歳)
お母ちゃん。お母ちゃん。
お母ちゃんがいてくれるだけでええんよ。
たくさんのぬくもり、ありがとう。
今度はわたしの番だよ。                        武本 久美(広島県 四〇歳)
【入選】 母親になった今、あの日のあなたの悲しみがよくわかる。
若さゆえのとがった言葉は、娘から言われると心がズタズタになるんだね。
今頃気づいた私なのに、あなたの優しさはずっと変わらなかったなあ。
                                     山松 智加子(北海道 四〇歳)
苦労や心配をかけ通しだった母さん、亡くなってもう七年だよ。
形見の指輪を加工してね、ぼくがいっつもはめているんだ。
なんだか一緒にいるような気がするんだよ。
それに冷え性だったろう、少しでも暖めてやりたくってさ。
                           石原 敬三(北海道 六七歳)
宅配便を開けると、母が作ってくれた料理とセーターが詰まっていた。
さっそくそれを食べ、着た。やさしいぬくもりを体中で感じた。
雪国の農家に嫁ぎ、苦労も多いけど、母さんがいるから、わたしは頑張れる。
                       加藤 京子(北海道 四一歳)
力仕事は三人前、涙もろさは二人前
仕事中は玉の汗
汗は語らずとも響くもの
「悲しませてはいけない」
無言の教えが染みました。
母さんは、やはりすごい人、
はなまるです。                    和田 留美子(秋田県 五二歳)
お母さんの具合が悪くなって、トイレまで支えて行った時、「軽いな。」と思ったんだ。
ふざけておんぶした時は、ぼくが大きくなったみたいでうれしかったけれど、その時は悲しくなった。
もう、いやだからね、こんなのは。
               高井 俊宏(栃木県 一ニ歳)
おふくろの歌声はきれいだ。惚けたってきれいだ。俺も歌う。
俺が五つの時から未亡人をやっている。時には焦点が合い、話は弾む。
今、してあげられるのは、ひこ孫達とのコーラス位か。母ちゃん、俺も歌うぞ。
                             松川  靖(埼玉県 六六歳)
古いアルバムをめくる度、笑顔や幸せはお金じゃ買えないんだってこと解る。
母さんの編んでくれたセーターに包まれて笑う私は、我ながら天使のようだもの。
今年は私が母さんと父さんにおそろいの帽子を編むからね。
                          石黒 一葉(千葉県 三一歳)
小さいときは川の字で寝てたんだよね。
大人になったけど、今日は布団並べて寝ようかな。
昔話聞くの嫌じゃないよ。途中寝ちゃうかもしれないけど、聞くよ。ずーっと、ずっと。
            能祖 奈津里(千葉県 五四歳)
なげ出したい事も度々あったけど
がんばってここまでこれたのは
いつも母さんが励ましてくれたからですきびしかったあなたの
しらが頭や曲がった腰や
てのしわを見る度に
ねぎらいと感謝の気持ちでいっぱいです
                        小川 喜洋(東京都 六〇歳)
無口な親父が、不良だった俺を叱ったのはたった一度、俺が兄貴を殴った時。
そのくせ、
「子どもの心をつかめ」
と俺が言った事を真剣に受け止めてくれたね。
俺を信じていたと判った時には、親父はもういない。悲しいよ。
           菊地 謙二郎(東京都 四二歳)
生きてくってつらいことなんだね。苦しいことなんだね。
だけど、生きてくって幸せなことだよね。あったかいことだよね。
お父さんの少し小さくなった背中がすべてを教えてくれました。
            長谷川 佳美(東京都 一七歳)
私の父は強情だ!
医者嫌いで有名だ!
その娘だから、負けじと私も強情だ!
酒と煙草の飲み過ぎで体を
その度、ドクターコールを勧めると、
医者を呼ぶなら坊主呼べ
俺より自分の体大事にしろの名台詞
今日も父と娘の戦いだ!
                望月 芳美(長野県 三九歳)
暗い夜道に明かりが灯り
「おかえりなさい。」
のあたたかい声。
お母さんの笑顔がそこにある。
何気ない日常が私に帰る場所を教えてくれる
お母さん、いつもありがとう
           横山 朋子(長野県 一七歳)
お家の中から父親≠ニいう背中の大きい存在が、小さい光になって消えてしまった時、
そこには、背中よりも大きな尊敬≠フカタチが残ってます。
            宮坂 有嘉梨(長野県 一七歳)
「情けは人のためならず。人には尽くせ。
回り回って返ってくる。」とは、病気がちな父を助け、農業に勤しむ母の口癖。
貸倒れになることも少なからず。
だが、母は決して愚痴を言わない。子供七人は母のように生きたいと思う。
            山下 まい(新潟県 一九歳)
私だったら、きっと無理。血のつながってない子供を育てるなんて。
自分の子供と同じように育てるなんて。
不幸だなんて思ったことない。だからもう、一生言わないで。「継父でごめんな。」なんて。
           畑中 雅美(石川県 二六歳)
「こんなごつごつした手に指輪は似合わないよ。」と左手の薬指を淋しそうに見つめていたお母さん。
私には見えるよ、家族という名の宝石が薬指にくい込んで、
ダイヤよりプラチナよりもまぶしいくらいに輝いている。
           中山 千絵(石川県 二七歳)
小学校二年のとき、僕が万引きしたのを悔し涙したあなたの顔を忘れない。
友だちにつられてと言い訳したら、頬を叩いた。
あの温かい手にはあなたの血管が浮き出ていた。
人として何が大切か、僕はあなたに感謝したい。
            後藤  薫(岐阜県 二一歳)
「どうせ私なんか」…。
五人姉弟の私は、子供の頃いつもすねていた。
ある日、五本の指をひろげて、母さんは言ったよね。
「どの指がいらん指ね? どの指もみんな大事かと」
二人の娘をもった今、母さんの言葉が心にしみます。
           佐古 鈴子(岐阜県 四六歳)
大学生になった。はじめておやじと一緒に酒を飲んだ。おやじは嬉しそうだった。
そのおやじが病気になった。僕は禁酒を誓った。やがて、おやじが快復した。
「おやじ、飲もう」というと、
「お前と飲むのを楽しみに頑張ったよ」とおやじは笑った。
            森永 政雄(愛知県 六五歳)
世間体など全く気にせず、
不登校の私を
何も言わず温かく見守ってくれたお母さん。
二ヶ月ぶりに登校する朝。
不安がる私の背中を、
あなたはそっと押してくれたね。
あの温もりこそが、
私に勇気を与えてくれたんだよ。
           長谷川 知子(愛知県 二六歳)
「生きていてくれるだけでいい。」
お母さん、あなたは私にそう言ってくれましたね。
原因不明の腰痛が一年以上続き、床に伏して死を口にした私に。
私は生きている事で親孝行できているんだとお母さんに教えてもらいました。
                             川渕 美之(愛知県 二八歳)
母ちゃんは宗教で、
父ちゃんは同志だ。
母ちゃんと唱え、
おやじと呼びかける           小田 高博(三重県 五一歳)
ごめんね、お母さん。
障害者のうえ、難病まで一人でかかえこみ、孤独が病気を重くしていた。
一緒に暮らしてみてわかりました。
もう大丈夫。
不安を下さい。安心をあげます。苦しみは半分になるでしょう。
            菅原 敏子(京都府 四七歳)
お父さん、
今どのあたりでしょうか
母さんには逢えましたか
生きてる間は、貴方の強さが恐かった
でも今ようやく有難いことだったと……
もし叶うなら、あなたの娘に又とりあげて下さい お父さん
合掌
                榎本 房子(大阪府 六四歳)
子供の寝顔を見ていて思いました。「この子の為ならどんな苦しみも頑張れる」と。
そこで気付いたのです。私もこのような思いで育てられて来たことを。
あなたがたが私に与えてくださったのと同じ愛情で、この子を育てて行きます。
           奥田 正隆(大阪府 四二歳)
子供を産んでみてわかったことがたくさんある。人を育てるって簡単じゃないね。
やれ熱を出した、頭ぶつけたと走りまわって。かわってやりたいのにやれない辛さといったら。
こんな気持ちの数々を経験して、
人は親になるんだね。
            田中 優子(大阪府 三三歳)
いつも働く母が好き
ぼろぼろになっても
仕事に笑ってでかける母が好き
お母さんの背中は大きいよ!!
間崎 光子(兵庫県 三〇歳)
頼りない親で泣かされっぱなしやった。
彼がアイサツ来た時、
『こいつは今まで苦労してきた。泣かすよーな事だけはせんといてくれ』
なんて言うから、今までの苦しみ、全部ふっとんだ。
父チャンの涙は一生忘れへんで!
                白松 奈美子(兵庫県 二六歳)
亡き父へ―
嫁ぐ朝、たった一言
「風邪引くなよ―」
今度生まれるときも、無器用で涙もろい父の子として産まれたい!
            中野 康子(兵庫県 三四歳)
私が病気になった時
決してきれいとは言えない字で
はじめて手紙をくれましたね
でもその文面は涙があふれるほど
心やさしいものでした
お母さん、貴女の手紙 何よりの
薬でした。ありがとう
            近藤 和子(兵庫県 五九歳)
「大きくなったなあ」
と問いかける父に
「もうお父ちゃんの年令越えてしもうたわ」
と返す私。
父が逝って三十年
私も大人になりました。
父との何十年振りかの会話に
夢の中でもいいからもう一度
「お父さん、お元気ですか」
           上月 智枝子(兵庫県 四三歳)
女手一つで育ててくれた母さん。
突然逝ってしまったあの日から孝行という宿題が残ったまんま。
こんど黄泉のくにで逢ったら、うーんとうーんと孝行するからね。
            弓場 政代(兵庫県 六〇歳)
好きな酒も身体のためにやめ、仕事一すじでがんばって、楽しみは孫の成長。
お父さんありがとう
最後の一言が届かなくてごめんね。
            畑中 康代(兵庫県 四〇歳)
「人は亡くなっても、その人を知っている
人がいる限り、その人は生きている。」
このことばをかみしめ、
父母のありし日を目ぶたに浮かべて
仕事に精出します。
見ていてくださいね。
            今中 省三(兵庫県 七六歳)
「ぽっくり死にたい」
が口癖だったお母ちゃん
病院に行ったらもう手遅れ
八十日足らずの入院生活の間
五人の娘と八十二才の妹が交代の看病をした
お母ちゃん
一緒に過ごせる時間を作ってくれてありがとう
普通の人間に育ててくれてありがとう
          永井 資子(兵庫県)
「人にしてあげたことは忘れても、人からしていただいたことは覚えていて感謝しなさい。」と親から教えられた。
人は一人では生きられません。
周りの人に感謝しつつ、両親に感謝。そのことばは私の宝です。娘にも伝えます。
           長田 利子(和歌山県 四一歳)
「バカタレ!なんやその顔は!お前は笑顔だけがとりえや。それがなかったら、大ブスや」
これが父の口ぐせ。大嫌いだったけど、お
かげさんで、いつでも胸はって、口尻をク
ッとあげ、笑顔でいられるようになったよ。
           下江 順子(広島県 二九歳)
顔には出さない。
声にも出さない。
でもいつも思ってるよ。
あなたはすごい人だなぁって。
その背中、いつか追いつく事ができるのかな…なんて思ってしまう。
私のいちばんの目標の人。
            中村 由利(広島県 一九歳)
うまく話のできなかった父と私。いつも反抗し、喧嘩した。勘当され家を飛び出し、早八年。
突然来た一本の電話。かぼそい声で父が言う。
「酒でも買うてきてくれや。」
「うん。」
孫にもたせて、すぐ帰るけんね。
           吉田 麻利亜(福岡県 二三歳)
夢破れて帰郷して、母と二人暮らし。
少年時代の黄金の日々はかえらずとも、何と居心地のいいことか。
せめて老いた母に孝行息子のまねごと。
本当は親不孝なのは分かっている。近いうちに今度こそ自立するからね。
        大和 潤一(福岡県 五四歳)
父が再婚したいと言った時、十五歳の私は「嫌だ」と叫んだ。
永い看病の末、母を亡くして、男手一つで頑張り続ける五十六歳の父に、なんと惨いことを言ったものか!
言葉の消しゴムを持って、あの時にタイムスリップしたい。
           北代 充明(福岡県 五八歳)
母さんの下着を洗ったよ。継ぎはぎだらけの長袖のシャツ。
思えば、八三年の人生で、心も体も継ぎはぎだらけなんだね。
このシャツも自分の身を繕うように一生懸命に繕ったんだね。
陽のいっぱい当たる一等席に干したよ。
            吉村 金一(佐賀県 四四歳)
一生かけても越えられない。
強さと優しさを持った女。
私の目標は母ちゃんの様な人。
           川津 美智子(鹿児島県 三三歳)
病気を持って生まれたわたしだけど、
「その分、人の苦しみを分かってあげられるんだよ。」
って言ってくれたお母さん。とても嬉しかったよ。
わたしの身長は小っちゃいけど、お母さんを大切に思う気持ちは、きっと世界一だよ。
            山口 愛可(鹿児島県 一七歳)
「おまえをアメリカの大学にやってから、父さんは水を飲んで生きちょる」
笑いながらの冗談から、日ごろの苦心がのぞく。
大げさに言われなくても、私の頭の中は、将来の親孝行計画でいっぱいだよ、お父さん。
Thank You, Daddy!
            秋重 峰子(アメリカ 二四歳)