★★2000年度(第5回)直接言うのはちょっと照れくさい孝行のメッセージ入選作品集★★

【最優秀賞】 「丈夫に産んでやれなくてわるかったなあ」
と涙ぐむお母ちゃん。
人の痛みも親切も、人を愛することさえも、生まれたからわかったよ。
病気になってわかったよ。
この心の丈夫さで、その泣き顔を笑顔にするからね。
                     丸山 智子(長野県 42歳)
【優秀賞】
苦しい時、悔しい時、
それでも「がんばれ」と、母は言う。
あなたの歩いてきた道なのですね。
母さん、長生きしてね、父さんの分まで、
がんばる*コでいるから。
           上月 智枝子(兵庫県 42歳)
【佳作】 死にたいと言った日。
出て行くと言った日。
でも、親子だから言えたんだ。
私は生きてます。
どうもありがとう。  久森 知子(群馬県 24歳)
昔はなかった数本のしらが。
抜いても抜いても生えてくるね。
しらがの数だけあやまりたい。
苦労をかけて
ごめんなさい。    丸岡 亜由美(埼玉県 15歳)
昔はなかった数本のしらが。
抜いても抜いても生えてくるね。
しらがの数だけあやまりたい。
苦労をかけて
ごめんなさい。    丸岡 亜由美(埼玉県 15歳)
父さんのようなつまらない男と結婚した母さんを軽べつしてたョ。
でも今、この歳になってはじめて、
父さんのような誠実な男を選んだ母さんを尊敬しているョ。
             スズキ 恵里子(神奈川県 40歳)
お父さん
 それさえ言えない犬猿の仲
だけど明日は結婚式
 今日は背中を流そうか 加賀 幸恵(愛知県 25歳)
「千」個ほどの「恵」がありますように・・・。
といって名前をつけてくれたお父さん。
私はこの名前が大スキです。
それは、すでにお父さんから「千」個以上の「恵」をもらったから。
           玉井 千恵子(兵庫県 15歳)
「お前の母さん老けてるな、婆さんみたい」
クラスの仲間から笑われて、
「もう参観日に来なくていいよ」
と言ったけど、見ていたよ。母さんが作業着姿で校門まで来ていたのを。
その時、庇ってくれたあの娘と結婚したよ。
         武藤 義昭(徳島県 65歳)
【入選】 今しようと思ったのに
そんな言い訳ばっかりしてたよね。
もう言い訳もできなくなっちゃうんだね。
だから最後に一言、言い訳させてね。
おや孝行しようと思ったのに  澤田 知子(北海道 37歳)
皺皺の母さんの手、手を繋ぐと温かく優しいメールが伝はる。
その皺を私が優しく優しくのばしてあげよう。私の大事な手だもの。
                     小坂 みゆき(北海道 63歳)
 親父さ。
リストラされたからって人生の終わりのような顔してしょげてんじゃねーよ。
 俺のサッカーの応援に来て、前半負けてる試合のハーフタイムでよく叫んでたろ。
「後半から流れは変わる、勝負は後半だ、あきらめるな!」ってさ。
                     越後 幸助(北海道 43歳)
お父さんのしいたレールの上を歩くのは、
もうおしまい。
これからは、自分の手でレールをしくのよ。
心配しないで。
レールの上から見てきたこと、
絶対むだにしないから。
私は私の生き方で、
お父さんを幸せにして上げたい。      伊藤 由美子(北海道 25歳)
久々に母さんと手を繋いだ。
カサカサな手から温もり感じた。
老眼になった目と目元のしわが
としつき年月を教えてくれた。
母さん
休みたくなったら私の背中
貸してあげるからね。           渡辺 愛子(岩手県 23歳)
ごめん父さん、やっぱり父さんよりダンナの方が好きみたいだわ。
でもさ、本当に不思議なんだよ。
毎日一緒にいるダンナの好みより、父さんの好みを、ずっとずっとよく知ってること。
                     男澤 真紀(宮城県 28歳)
元気な頃に言えば良かったんでしょうけど、私、母さんのこと大好きだったからね。
すごいケンカしたけど、布団の中で謝ってたからね。
母さん、母さん、最期に手を握り続けていたのは親孝行になりますか?
                     矢野 真由美(秋田県 41歳)
私の編んだマフラーを、昼寝のときも巻いてくれてること、お母さんから聞きました。
お父さん、私もね、そんなお父さんからの愛情をふんわり身にまとっているような気がします。
                     三上 奈々子(山形県 21歳)
昭和一ケタ生まれの両親は生活がいたって質素で、夕食のおかずもせいぜいに二品程度。
そこで、毎晩何気なく、高級食材を使った料理を一皿添えます。
「これ、なんだかうまいな!」
との父の一言に幸せを感じています。
                     松本 由香(福島県 33歳)
最近うるさいよ。でも、私が寝るまで、ずっと起きていてくれるのは感謝している。
当たり前に思っているけど、お母さんも疲れているんだね。
ソファーの上でうたた寝してたから、毛布をかけてあげたよ。
                     高井 彩乃(栃木県 13歳)
転勤の多い彼との結婚。
猛反対だったのに、
今では
孫と会うため
国内旅行が楽しめて
よかったでしょ!             水野 和代(群馬県 40歳)
先日ね、脳梗塞で床に就いている親父が、「嫁が女神に見える」って言ってたよ。
悪いけど、俺も便乗して、誉められてる気分になってしまったよ。
                     丸山  裕(群馬県 53歳)
二度目のバージンロード、係の人の説明に、お父さんは、
「あ、一回やってるからわかっ…」
まで言って、真っ赤になっていたっけ。
彼の前で深くお辞儀をしてなかなか頭を上げないお父さんの姿、一生忘れない。
今度こそ幸せになるからね。        丸山 智美(埼玉県 30歳)
「すんまへん、すんまへんなあ」と学校に呼ばれて先生たちに頭を下げた親父と同じことを今、俺もやってます。
あんたの孫も相当に父親泣かせです。親父のありがたさを知るのも、俺と同じ二五年後かな…。
                     安原 輝彦(埼玉県 44歳)
手術をする前の晩、父さんは、
「まだ若いのにからだにメスを入れるなんて…、代わってやりたい」
って泣いてたね。
でも、私は思ってた。
「老いた体のあなたでなくてよかった。」と。
                     朝烏 理恵(埼玉県 21歳)
賢母、賢夫人を何十年もやってきた母。
今は荒れ狂う精神の波間を漂っている。
もうわがまま言ってもいいよ。
赤ちゃんに戻りな。
素晴らしかった貴女を忘れません。     武井 玲子(千葉県 50歳)


口げんかじゃ勝てる年になったけど、黙って見つめられると、言葉に詰まる。
本当につらいとき、いつも黙って助けてくれたもんな。
黙ってるってのはすごい力だ。
まだまだ勝てねーよ。           川口 一朗(東京都 25歳)
お母さんは岸恵子に似てるのに
私はゾウそっくりのお父さんに似て
ずーっとうらんでたけど
父親似の娘は
幸せになるってホンマやったわ
何故か嫁いでからなつかしい
鏡見る度思うんや
「お父さん元気かなぁ」って        山本 知子(東京都 36歳)
借金残して
逝ったおやじ
ぜぇーんぶ
返したから
帰ってこいよ               青木 慶太(東京都 28歳)
父さん 母さん おおきにな
和子は金で買えない物を
たくさん教わった おおきにな

父さん 母さん きばったよ
和子は永年勤続二十五年で
表彰された きばったよ

父さん 母さん 死なんでな
和子は遠く離れていても 
側にいるよ 死なんでな
                     小田 和子(東京都 50歳)
なあ、母ちゃん、
人を誉めた事のないあのばあちゃんが、
「お前の母親は、不器用だけど、まじめで信用できる人間だ」
って、私にぼそっと言ったんだよ。
あの時ほど、二人の血を受けついでる自分が誇らしかったことはないで。
                     柳町 加代子(東京都 22歳)
「ありがとう。」
その一言が言えなくて、
父の好きな物を買い物のたびに買ってくる私。
しかも、
「安かったから。」
と嘘をついて。だって、
照れくさいんだもん。
お父さんわかって。娘の切ない感謝の気持ち。        
                     大岡  妙(神奈川県 27歳)
頭ん中で考えてること 親孝行。
実際してること 逆ばっか。
だから してあげようと思うこと
いっぱいんなったわ!
でもまだまだ先になりそうやしさぁ、
いっぱいいっぱい長生きせんと
あかんみたいやわぁ。           北中 三佐代(福井県 19歳)
いつも、ひとりで大きくなったみたいに、生意気言ってごめんね。
本当は、お父さんやお母さんのいない日々なんて考えられないほど弱い人間なんだ、私。
                     小林 知子(長野県 33歳)
父さん、いつも
「俺はどうせ嫌われ者だからな」
なんて憎まれ口をたたくけど、
あんたの孫はみんな
爺ちゃんファンだからね。
かわいいんだって。
安心してよ。               内堀 弥生(静岡県 41歳)
親父、
「はよう帰ってこんか! このボケ!」
と言われてもやな。
「故郷へ錦を飾るような人間になって戻ってこい!」
って言ったのはあんたやぞ。中途半端でもええなら帰ったるけど、どうや。そろそろ諦めたか?
                     細江 隆一(岐阜県 32歳)
我が子が心臓病だと知って泣きじゃくる私に、母が言った一言。
「泣いたって病気が治るわけじゃない。あんたも母親ならしっかりしなさい。」
その厳しさとは逆に、仏壇に手を合わせつづけた母の姿が、今も忘れられない。
                     長谷川 知子(愛知県 25歳)
よく聴けよ。
『二宮尊徳とは、損(尊)して得(徳)ぞ』
親孝行も同じ。
『若い時の苦労は買(請)うてでもせよ』
幼い時、いつも聴いた親父の言葉。
いつの間にか息子に、そっくりオウムがえし。
最近効き目がボツボツ。          久保 俊男(愛知県 61歳)
「あなたみたいな女にはなりたくない」
残念ながらその気持ちは子どもの頃から変わらない。でも、今は、あなたのような母になりたい。
                     村田 美代子(三重県 30歳)
小さい頃から、ずっと側にあった
少し疲れた、その笑顔
今はもう、二度と見られない
冷たい、土の下
だから、せめて
あなたの思い出を飾る為
今日も、花を、ほら、きれいでしょ
お母さん                 村上 奈美(京都府 19歳)
周囲を困らせ でも 愛される父
周囲に気を遣い そして愛される母
愛される二人に愛されて育ったので
今 我が子を素直に愛せます
愛してくれて ありがとう         大坪 美湖(大阪府 30歳)
コンビニで、きんぴら、卯の花に「おふくろの味」とかいてあったメニュー。
でも、やっぱ 母さんのとは一味違うんだよなあ。
                     近藤 順一(大阪府 19歳)
右の手足はお父さん
左の手足はお母さん
おへそは真中、合作で
まっすぐ天をにらんでる
お父さん、お母さん、ありがとう      田嶋 新一(兵庫県 77歳)
このこ娘がころころと笑う時、
このこ娘が両手いっぱい広げて私達を求める時、
その度に
胸がキュンとするん・・
お母さん達もこんな、こんな
気持ちで私を見ていてくれたんかなって・・。
やっと少しだけ分かった・・。
                     春日 知美(兵庫県 30歳)
天国のお母さん
けんか相手がいなくて淋しいでしょうけど、
もう少しだけ お父さんを貸してくださいね。
                     北尾 洋子(兵庫県 42歳)
ばあさんにそっくりになったな
母ちゃん。
おれも死んだ父ちゃんに
そっくりになったやろ。          四元 義朗(兵庫県 39歳)
おじいちゃんに連れられ、畑に行く時乗った青い軽トラ。
ガタガタ道やったな。私は、これが大好きやった。
ガタガタ揺れるのとそれに合わせておじいちゃんといっしょに歌うのが。
                     岸本 かおり(兵庫県 15歳)
この前、予告なしで一人でそっちへ行った日、玄関から入らんと横手に回り、一分待ってノックした私。
その一分間、実は二人の様子を窓越しに見とったんや。仲良う並んで、TV見とったなあ。目がかすみそうやったわ。
                     樽家 満智子(兵庫県 39歳)
「目に入れても痛くない程可愛い一人息子でさえ、自分の思うように育ってくれへん。世の中いうたら、そんなもんや。」
「やっと判ったか。俺、おかんを大きく育てる為に、ぐれてやったんやで。」
「このアホ!」              西村 セツ子(広島県 60歳)
「元気な体に産んであげられんでごめんね」
穏やかな母の口調が余計に辛かった。
でも、私、諦めんから。何年かかろうが、幸せこの手にするまでは。
「産んでくれてありがとう」
心からそう言えるように。         生湯 洋子(山口県 29歳)
仲睦まじく散歩している老夫婦の姿を見かけると、お母さんの淋しさが身にしみる。
だって、もう二十年も一人で生きてきたんだもの。
お父さんの代わりに、私がずっとそばにいてあげるから、安心してね。
                     小堀 朋美(福岡県 33歳)
幼い私を手離したこと、悔いてる?
もう許してるよ。
だから時々、私似の娘を預けます。
あなたが知ることのできなかった子育ての喜びを教えてくれる筈。
そしていつか勇気を出して言うから。産んでくれてありがとうって。
                     菊川 眞由美(福岡県 35歳)
道に迷いそうになった時、
不安で胸が張り裂けそうになった時、
いつも優しく包んでくれましたね。
その時のぬくもりを今度は私がお返しする番です。
ほら、あなた方の心の中で私がいつも笑っているよ。
                     獅子島 智子(福岡県 27歳)
げんこつも
平手もなかったオヤジ
その代わり
口やかましく
しつけの厳しいおふくろ

どこかの夫婦に
近頃俺、オヤジに
似てきたと
よく言われているんだ。          蓑田  興造(熊本県 24歳)
「お父さんとお母さんを大事にしているか早く知りたいです。
もししていなかったらこの手紙を見て大事にしてほしいです。」
今年届いた十六年前の手紙。差出人は九才の私。
お父さん、お母さん、今からでも間に合うかな。
                     中村 友美(大分県 24歳)
「もったいない」
と言って病院に行くのも拒む父。
お父さんにとって一番大切なものはなんですか。
私の一番は、父母共に、いつまでも仲良く元気でいてくれること。
それ以上に大切なものは何もありません。
                     森  智予(大分県 32歳)
居心地の良い家から
離れたくありません。
でも、やっぱり私も結婚して
居心地の良い家を目指して
将来子供にそう思われたい。        照屋 洋子(沖縄県 31歳)
母親になった今、あの日のあなたの悲しみがよくわかる。
若さゆえのとがった言葉は、娘から言われると心がズタズタになるんだね。
今頃気づいた私なのに、あなたの優しさはずっと変わらなかったなあ。
                                     山松 智加子(北海道 四〇歳)